仕方アルマジロ

大学生活の記録

映画「兵隊やくざ」所感

 先日、「兵隊やくざ」という映画を鑑賞したので、その所感をここに書き残しておく。毎度のごとく、私の映画所感記事はネタバレをふんだんに含んでいるのでご注意されたい。一応今回はネタバレ少なめである。

 この映画で焦点を当てられているのは、大東亜戦争後期の北満州に駐屯する関東軍の一部隊であった。戦時中の映画なので敵国との戦闘シーンが多そうであるが、この映画で描かれる戦闘シーンは、面白いことに全て日本軍の部隊内でのものであった。すなわち、体罰と喧嘩である。

 

 この部隊には軍隊特有の酷い理不尽と体罰が蔓延しており、新兵のビンタは日常茶飯事であった。そんな部隊にやってきた力自慢の新兵と、その教育を任されることになった古参の上等兵が、理不尽に立ち向かっていく物語である。

 元々やくざであったこの新兵は、普段の態度がそれほど良くなかったり、古参兵による新兵いびりから仲間を守るために反撃したりするうちに、上官たちから目を付けられるようになり、職権濫用まがいの理不尽な因縁をつけられて呼び出され、私刑を受けることとなった。それに対して、教育担当の上等兵が年功を活かして上手く立ち回ってこのやくざの新兵の反撃を正当化し、上等兵のお墨付きを得たやくざの新兵が悪い上官を自慢の腕でやっつけていくという、実に勧善懲悪的な物語であった。

 

 その後も軍隊での生活の中で二人は助け合い、次第に信頼を深めていく。一度やくざの新兵に叩きのめされた上官も簡単には諦めず、時に姑息な手段を用いて何度も新兵と上等兵に仕返しを試みるのであるが、彼らが人脈や知略を活かして毎回その窮状を乗り越えていくのが見ていて心地よかった。勿論、最後に決着をつけるのは、新兵の清々しいまでの暴れっぷりである。

 闘いの場では上等兵がやくざの新兵の腕力を借りているあたり、「虎の威を借る狐」と感じる人もいるかもしれないが、軍隊の内情にうんざりしており、部下に手を出したことが一度もないという彼の人柄を鑑みれば、決して嫌悪感は湧かないであろう。

 

 クライマックスの脱走シーンの豪傑さも心地よかった。しかし、二人と同じ部隊にいた他の兵士たちについての、「彼らはレイテ島で全員戦死した。」というナレーションには思わず目が潤んだ。北満州からレイテというと、モデルは第一師団あたりであろうか。

 脱走する際に新兵が放った、「なんたって大陸は広いですから!隣には支那がある。その先にはヨーロッパまで地続きだ!」という台詞は、続編における今後の物語の展開に期待を感じさせるものであった。大陸浪人に憧れる私の心も掻き立てられた。

 

 この映画は、戦争映画としては死者こそ少数であるものの、少々痛々しい暴力シーン、流血シーンが多かったため、暴力的な表現が苦手な方にはあまりお勧めできないかもしれない。

 続編も近いうちに見てみようと思うが、その時はまたこのブログに所感を書き残すつもりである。